平均について

 このところ,日本数学会の調査に関する報道の影響で,Facebook上でも平均の理解について,活発な議論が繰り広げられていましたが,プログラミングを教える立場から,一言申し上げます。

 先ず,物理学等の測定誤差や有効数字の桁数を問題にする分野からの見方は,ここでのお話しとは質の異なるものですので,そういう要素が入らない設定で考えてみましょう。

 例えば,3人の所持金の平均値を求める場合,所持金の合計額は整数値で,測定誤差は考慮する必要がないでしょう。ここで問題となるのは,合計額が3で割り切れない場合,1/3も2/3も循環小数となってしまうことです。

 この例のように一般には,平均値は小数を用いて求めようとすると,或る有限桁数で打ち切って,四捨五入等で最終桁を定めなければならなくなります。従って,整数の範囲で考えても,合計がデータ数で割り切れない場合には,平均値に分数を用いない限り,データ数を掛け合わせても元の合計には戻せません

 このような困難を避けるために,日本数学会の調査では問題設定としてデータ数を100とされたと推察されますが,16350を100で割って163.5にしたのか,16349を100で割った上で小数点以下第2位を四捨五入して163.5にしたのかという手続きが書かれていないと,データ数が100以外の時には困ったことになります。

 結論としましては,(実用的な)平均値とデータ数とが与えられてデータ合計を推量するのであれば,『およそ』とか『約』という言葉を,『平均値×データ数』の前に付けるべきだと申し上げたいのです。

by 神保雅人

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