学者と研究者

 『学者』(scholar)は60代以上の方々がよく使用される言葉ですが,その道の重鎮を指す場合を除いて,今時は大抵,「学者は口先ばかりで手を動かさない」などと揶揄を含んだ言い方に用いられます。
 この言葉は象牙の塔に籠もっているとか,権威主義的であるとか,前時代的な響きを持っていると受け止められるため,近頃の若手の間ではこれに代わって『研究者』(researcher)が定着しています。こちらの方が,勤勉で真面目な求道者的なニュアンスで受け止められているようです。
 今の時代では,研究者は最低限,マネジメント能力やコンピュータを利用した事務処理能力は持ち合わせていないと生き残れません。また,自分の研究分野以外のことには興味が無く,他分野のことは基礎的なことも分からないというようでは,大学で職に就くことはできません。
 その点,物理屋は何事にも好奇心旺盛で,他分野の方々から煩がられることもありますが,アクティブな物理屋には,どういう分野に転進してもうまくやっていけそうな人の比率が高いと思います。
 因みに私自身は決して,自ら『学者』などと称したことはありません。『科学者』であればscientistの訳語なのでぎりぎり許容範囲ですが。したがって,physicistの訳語も『物理学者』ではなく,『物理屋』を用いています。

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